「届く」「伝わる」デザインのための基本「フォント」

最初にフォントについて考えてみましょう

フォントの選び方、使い方でメディアの印象はがらりと変わってきます。
デザインとして美しくても、文字が読みにくかったりわかりにくかったとしたら・・・・数字が書いてあってもそれが「1」なのか「7」なのかわからない。文字がかすれて/つぶれて読めない・・・・メディアとしては失格ですね。

ゴシックと明朝

フォントには大きく2つの種類があります。
ゴシックと明朝
フォントを選ぶ場合、どんな人にも見やすく誤読されることの少ないものを選びましょう。
特に日付や金額などシビアな情報は間違ったら大変なので、ゴシック系を使うようにします。

フォントを使うときに配慮すること

フォント使用の際は次のことにを考える必要があります。

●判読性
判読性
誤読、読み間違えが起こらないようにしましょう。
フォントの種類によって影響を受けやすいのが数字です。特に注意しましょう。
視認性

●視認性
大きく見えるフォント
フォントの種類によっては同じサイズを使っても、大きさが違って見えることがあります。これは文字の形をした部分「字面(じづら、じめん)」がフォントによって違っているからです。
文字のデザイン
また、アキやフトコロを大きくするなどデザインを工夫して視認性を高めたフォントもあります。

※ユニバーサルデザインフォント
見やすさや読みやすさに配慮したフォントが「ユニバーサルデザインフォント」です。フォントの名前に「UD」が付けられていたらそれはユニバーサルデザインのフォント。判読性、視認性を考慮した書体デザインになっています。

●可読性
文字の大きさはできるだけ大きくします。
可読性 文字サイズ
A4サイズの場合、12ポイント以上。高齢者向けには14ポイント以上が望ましく、弱視の人などにはさらに拡大したものを使用しましょう。

文字の太さはサイズと比例させましょう。
可読性 文字のウェイト
文字にはサイズ(ポイント数)とウェイト(太さ)があります。サイズとウェイトは比例すると考えてください。
小さな文字の場合太いフォントを使うのはご法度ですね。小さな文字を太くしてしまうと文字がつぶれて読みにくくなってしまいます。

フォントの太さの表し方

文字の太さを表す頭文字はメーカーによって違いますが、W1(Weightの頭文字)などのウェイト表示の場合は数字が少ないほど細く、ISO規格にそった表示EL(エクストラライト)L(ライト)SL(セミライト)M(メディウム)B(ボールド)E(エクストラボールド)などは順番に太くなっていきます。
フォントウェイト表示

ウエイト ISO 日本語 その他
W1 UL:Ultra Light 極細
W2 EL:Extra Light 特細
W3 L:Light
W4 SL:Semi Light 中細 R:Regular
W5 M:Medium
W6 SB:Semi Bold 中太 D、DB:Demi Bold
W7 B:Bold
W8 EB:Extra Bold 特太 E、H:Heavy
W9 UB:Ultra Bold 極太 U

白抜きはゴシックで

白抜きはゴシック
文字を白抜にする場合、細い明朝体は横の線がつぶれてしまう危険性があるので避けた方が無難です。

網かけはコントラストに注意

網かけはコントラストに注意
高齢者などでは明暗の差を見分けることが困難になってくるので、同じ平アミ(網かけ)でも左のような濃いものに黒文字は避けてできるだけコントラストが大きくなるようにしましょう。

文字間を調整してキリッとした見た目に

ちょっと面倒ですが(ソフトによって出来ない場合もあります)文字間を調整しましょう。
文字間を調整
文字間は打ちっぱなしだと変にすき間が空いて間延びして見えることがあります。こんな時は文字間を詰めてパラッとした感じにならないようにします。フォトショップやイラストレーターではカーニング、トラッキング、文字ツメ、ワードだと文字間隔などの機能を使って文字間が調整できます。
文章を全部やるのは大変ですが、タイトルなどの目立つ部分の文字間を調整すると効果的です。