難易度 ★★★★★
ワードの機能:グラフ、図形、描画ツール、頂点の編集
ワードでかとり線香のようならせんの模様を描くにはいくつかの方法があります。
A 曲線ツールで作成
B 円弧をつなげて
C グラフで作成
AとBの方法は直感的にらせん模様を描くことができますが、綺麗な模様にするには手間がかかります。
Cは数式でらせんを作るので再現性のある模様が作れます。
今回はグラフ機能を使ったらせん模様の描き方を説明します。
1 グラフを挿入
ワードのメニューの【挿入】で【グラフ】を選択します
【散布図】の【散布図(平滑線)】を選んで【OK】
2 グラフとそのデータ
サンプルのデータが入っているグラフと表が挿入されました。
このグラフの下にある表【Microsoft Word内のグラフ】がグラフのデータになります。
3 らせん模様のためのデータを作る
「アルキメデスのらせん」と呼ばれる数式をグラフのデータに入れましょう。
すでにあるデータの【Xの値】【Yの値】の前にカラムを挿入します。
AとBのカラムを選択し、右クリックのメニューから【挿入】を選択します。
【Xの値】【Yの値】のカラムがC、Dにそれぞれ移動しました。
Aのカラムには連番が入ります、見出しを回数とします。
Bのカラムにはらせんが回転する角度が入ります、見出しを角度にします。
回数は0から1ずつ増やして必要な回数まで増やします。グラフに書く点の個数になります。
角度の単位には度(°)が使えませんので、ラジアンを使います。度をラジアンにするにはRADIANS()関数で変換します。
ここでは30°ずつ回転するらせんの角度をラジアンにする関数式をBのカラムに入れています。
=A2*RADIANS(30)
Aのカラムの回数分だけ角度を増やしていきます。
Xの値を三角関数で計算します。
=B2*COS(B2)
Yの値も三角関数で計算します。
=B2*SIN(B2)
角度、Xの値とYの値をコピーして回数の分だけ貼り付けます。
らせんの巻き数を増やすには、Aのカラムの回数の連番を増やします。
この例では30°ずつ角度が増やしているので、1周増やすには360°÷30°=12となり、回数を12回増やすことになります。
4 グラフを描く
【グラフのデザイン】の【データの選択】で表示させるXとYの値が選択できます。
【データソースの選択】にある【編集】をクリックします。
【系列の編集】で必要な値を指定します。
らせん模様のグラフが表示されました。
5 グラフをコピーする
必要なものはらせんの線だけなので、軸や目盛り線を削除します。
グラフを選択して【グラフ要素】に指定されているチェックマークをすべて外します。
グラフを選択してコピーします。
6 形式を選択して貼り付け
メニューの【ホーム】【貼り付け】【形式を選択して貼り付け】を選びます。
【形式を選択して貼り付け】ウィンドウの【貼り付ける形式】で【画像(SVG)】を選んで【OK】をクリックします。
7 図形に変換
このままでは、らせんの太さや色を変更することはできません。
貼り付けた画像を選択したら【グラフィックス形式】の【図形に変換】を行います。
8 フリーフォームの取り出し
図形に変換したものは3つのフリーフォーム:図形がグループ化されたものになっています。
グループ化を解除してらせんのフリーフォームを取り出しましょう。
※レイアウトオプションが【行内】になっているとグループ化の解除ができません
9 らせんの調整
出来上がったらせんの外側先端をよく見るとわずかに外側へ開いています。
外に開いた先端を調整するために、【図形の書式】の【図形の挿入】グループにある【図形の編集】【頂点の編集】を行います。
先端の黒い四角をクリックします。
白い四角のついた腕(ハンドル)が出てくるので、ほんの少しだけ外側に動かしてらせんの曲線を整えましょう。
らせんのフリーフォームは自由に拡大/縮小し、線の太さや色を変えることができます。